常緑キリンソウ
常緑キリンソウとは、在来のキリンソウを通年通し、緑を保つ様に品種改良した新品種です。
トットリフジタ1号(品種登録番号第15866号)
学名(ベンケイソウ科キリンソウ属キリンソウ)名前の通り弁慶の様に非常に強い事から付けられた在来の多年草多肉植物です。(セダムは、外来種が多い、ベンケイソウ科マンネングサ属です。同じ多肉なのでキリンソウもセダムも同じ植物だと解釈されている方もおりますが属が違います。)
由来は、中国の古書に出てくる想像上の動物、麒麟(きりん)に由来すると言われている縁起のいい植物です。
日本各地の山地や海岸の乾いた岩の上などに自生する植物で冬期間は落葉します。草花類でありながら茎が木質化で樹木のような強靱さをもち、枯れない特性があります。
薬用効果もあり蚊や蜂などの虫刺され、浅い切り傷等にも効きます。
江戸時代には飢餓に備え、若葉を塩茹でし乾燥させ保存食に使っていたとも言われております。
常緑キリンソウは、天然雨水が当たる所であれば3~5cmの薄層土壌で、灌水設備が無くても生育が可能で非常に乾燥に強いことから植生が困難な屋上などにも適している植物です。
芝生などの地被植物に比べ、葉の量が多く、二酸化炭素の削減効果も同じ面積で3倍弱あります。
また、ハイブリッドな光合成をする植物で、蒸散効果もあり、ヒートアイランド現象の緩和にも効果が得られる植物です。生息温度-30度~+40度と日本全国どのような条件下でも生息が可能です。
なぜ常緑キリンソウが誕生したか!
屋上緑化が本格的に始まる前に、株式会社フジタパラダイスパークの藤田道明さんが、国内で 初めてセダム類の大量生産を始めました。
屋上緑化のブームに乗って、藤田道明さん自らが手塩にかけて育てたセダム類が、屋上緑化の為に大量に出荷されました。
しかし、「日本の環境に適応できないセダム」、「屋上でメンテナンスされずに枯れていくセダム」の光景に、藤田道明さんは心を大変痛めました。
それをきっかけに、外来種が多いセダムではなく、在来種で強い植物を求め、国内の様々な場所へ出かけ植物を探し続け、多くの植物の中から在来種であるキリンソウの強さに目を付けました。
次に考えたことは、落葉であるキリンソウでは、「秋から冬にかけて緑がほとんどなくなり寂しい」、「なんとか常緑樹の様に年間通して緑がある植物に品種改良できないか」ということでした。
その思いと信念は通じ15年の歳月をかけて、世界で初めてキリンソウの常緑化に成功し、植物特許(品種登録)を取得した奇跡の常緑キリンソウ(トットリフジタ1号及び2号)が誕生しました!
常緑キリンソウの特徴!
冬になっても枯れることなく、一年中青々とし、緑でとても丈夫です。
水分が多いときには昼間に気候を開き、葉も大きいため、水分調整で蒸散による冷却効果もあります。
水分が少ない場合は気候を閉じるので蒸散が少なく保水性にすぐれているため雨だけで枯れません。これがハイブリッドな光合成です。
土壌が3~5cm程度の雑草が生えにくい場所でも育成が可能です。
肥料は年に1回程度でOK! 水は雨水だけで大丈夫の手間いらずです。
葉がありながら、茎が木質化のため樹木のような強靱さが有り、様々な育成環境に適応できます。
保水機能が高く潅水設備が必要ありません。
苗の規格
1.ポット苗(推奨品)
6cmポット,3芽立て
背丈は季節で異なります。
一年中植栽可能です。
2.セル苗(プラグ苗)
セルトレイ,1芽立て
背丈は季節で異なります。
繁茂するのにポット苗より
時間がかかります。
活着まで時間がかかります。
暑い時期(5月~9月)は推奨
していません。
低木代替えとして特例承認実績あり!
下記市区で低木の代替えとして特例承認いただいた実績がございます。
1.豊島区
地上からの振替を含め55%低木,45%地被の設計でした。
ゼネコンの所長から地被部分の見積依頼と低木部分の相談がありました。
既に、設計内容で緑化の着工届提出済みでしたが、所長と豊島区へ相談に行きました。
①地被植物だが20~30cm程度に成長する事
②多肉植物だが蒸散効果もある事
③施主様が無潅水・ローメンテナンスを望まれている事
などをご説明した結果
施工時になるべく背の高い苗を植栽する事を条件で、全面常緑キリンソウ袋方式で特例承認いただきました。
2.東京都小平市(風致地区)
風致地区のため100%低木で施工する必要がありました。
設計事務所が東京都へ事前相談に行きました。
地被植物だが20~30cm程度に成長する常緑キリンソウの設計採用をお願いしました。
東京都の担当者が、常緑キリンソウをご存じいただいていました。
特に条件は無く、必要面積を全て常緑キリンソウ袋方式で了解いただきました。